2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760556
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
通阪 栄一 Oita University, 工学部, 助教 (40363543)
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Keywords | インスリン / ドラッグデリバリー / 経口投与 / 粘膜付着性 / 吸収改善 |
Research Abstract |
本課題では, 腸粘膜に付着する製剤によるインスリンの粘膜内への直接放出とその製剤中に封入する脂溶性インスリンナノ集合体による粘膜透過促進により, 安全で効率的にインスリンを体内へ投与する経口製剤の開発を目指している。本年度は, 調製したパッチ型製剤の粘膜付着性とインスリン腸粘膜透過性を評価した。 パッチは粘膜付着層と薬物不透過層の2層で作成した。粘膜付着層を形成する高分子として数種類の糖鎖を選択し, 粘膜付着性, 強度, また薬物を含むS/Oサスペンションを十分に含浸できる多孔性といった観点で評価したところ, ヒドロキシプロピルセルロースが最も優れていることが判明した。また, 薬物不透過層には一般的に使用されているエチルセルロースを使用した。 このパッチを使用したインスリン腸粘膜透過性に関してラット空腸を使用し評価したところ, パッチ中に封入するインスリンは界面活性剤でコーティングし親油化することで格段に透過性が向上することが判明した。また, 薬物不透過層は腸管中へのインスリンの漏洩を抑制し, さらにその効果でパッチから腸粘膜側へ一方向の放出が可能となり粘膜透過性も促進させることが確認された。 調製したパッチはインスリンの腸からの吸収性を向上させることができることから, 今後は実用化に向けたパッチの微小化と大量生産, インスリンの拡散に有利な製剤形態の検討を行いたい。また, 動物への経口投与後の血糖値の変動を測定し, 製剤の改良に反映させる。
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Research Products
(4 results)