2007 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙機における液体推進薬のスロッシングと相変化が連成する熱流動現象の解明
Project/Area Number |
19760560
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
姫野 武洋 The University of Tokyo, 大学院・ 工学系研究科, 准教授 (60376506)
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Keywords | 自由表面流 / 微小重力 / スロッシング / 数値流体力学 / ロケット / 伝熱 / 表面張力 / 相変化 |
Research Abstract |
実験については、断熱耐圧容器を用い、容器中に液体と気体を封入した後、系を減圧して断熱膨張によって気体側に一様な温度降下を生じさせる系を構築した。比較的明確な温度場の初期条件を獲得した後に容器の加振を開始することで、液体揺動と温度場が連成する流れ場を創出し、熱交換に起因すると考えられる圧力変動に関して再現性のあるデータを取得した。平行して、断熱容器と同じ内壁形状を有する透明容器を製作して加振実験に供し、液体揺動の振幅や砕波発生の有無を観察した。加速度振幅を色々に変えた実験を通じ、液体揺動の規模と圧力変動の相関を定量的に整理した。その結果、液体揺動の有無によって容器内圧力の時間変化に明確な差異が認められた。このように、比較的明確な温度場の初期条件を獲得した後に容器の加振を開始することで、同時に取り組んでいる数値解析の検証に適する実験データの取得できた。容器の断熱性をさらに向上させるべく真空二重容器を製作し、引き続き断熱条件の改善を試みている。 数値解析については、液面における適切な表面張力モデルの構築と熱伝達モデルの検討を行った。現在までに、伝熱および相変化現象を安定に解析できる数理モデルを考案し、報告者らが開発している自由表面流解法(CIP-LSM)に実装した。既存の実験データと比較した検証により、当該モデルが適切であることを確認した。
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Research Products
(5 results)