Research Abstract |
遠心型ウェーブロータの設計を行うに当たって,まず設計パラメタの値と各種制約条件を元に基本諸元の検討を行った.ロータ駆動源として高速スピンドルモータ(最高回転数40,000rpm)を選定し,高圧空気供給源の制限から圧力比を3に設定,これらの条件を元にロータ径60mmと80mmについておおよその諸元を得た.設計パラメタの値から判断すると,ロータ径80mmの設計が従来の軸流型の設計に近いが,実際の運転を考えるとロータ径60mmの方が好ましく,最終的にどちらの設計を採用するかは,現在も検討を続けている段階である. 一方,ウェーブロータの設計において重要な点は,流路内部に発生する圧力波の伝播を正確に予測して,その伝播に適合するように給排気ポートを設計することである.これまでの研究によって,軸流型のウェープロータについては,圧力波伝播の予測を可能とする数値解析モデルを構築しているが,本研究で対象としている遠心型においては流路断面積が一定ではないために,軸流型とは異なる圧力波伝播になる可能性がある.そこで,上記の2種類の設計について2次元数値解析を行い,それぞれに対応する軸流型の内部流動との比較検討を行った.その結果,空気圧縮を担う2つの衝撃波のうち,Primary Shock Waveについては伝播速度の差がほとんど認められなかったのに対して,Reflected Shock Waveについてはポート設計に有意な影響を与えるほどの差が確認された.これは,遠心型と軸流型を比較した場合,流路断面積の変化によってガス流速に差が現れるために,流入ガスの流れに逆らって伝播するReflected Shock Waveの伝播速度に大きく差が現れたと推察される.また,流路内の圧力についても一定の差が確認されたことから,各ポートの状態量(流量バランスなど)の評価について,引き続き解析を行っている.
|