Research Abstract |
ウェーブロータ設計においては, ロータ回転数とセル長さはおおよそ反比例する. 軸流型であれば, セル長さは壁面粘性損失と製作加工法のみを考慮して決められるが, 本研究で対象としている遠心型の場合は, 他にも考慮すべき条件があることが分かってきた. ひとつはロータ回転数とロータ外周半径の関係である, 回転数を抑える為にセルを長くすると, 必然的にロータ外周半径が大きくなる. しかし, ロータ外周半径が大きいとそれだけ周速が速くなるため, 迎角を合わせて流体を供給しようとすると, 加速した分だけ静圧が下がり, 最終的にセル内部に生じる衝撃波が弱くなってしまう. また, 当然のことながら, ロータ周速は音速以下に制限される, 一方, この問題を緩和するためにロータ外周半径を小さくすると, ロータ内周半径が極端に小さくなってしまい, 構造的に内周側のポートを設けることができなくなってしまう. また, 回転数を抑える別の方法としてセル幅を狭くすることが挙げられるが, 特に内外径比が大きい場合には, 内周側のセル幅が極端に狭くなってしまい, 壁粘性損失が増大するだけでなく, 構造的強度を確保するためにセル壁厚みが相対的に大きくなり, ポートに対する流路のプロッケージが大きくなってしまうという問題が顕著になる. 以上のような条件を考慮した結果, ロータ直径を初期設計の60mmから80mmに増大させ, セル長さを20mmから30mmに延長, 回転数は40000rpmとした。そして, 数値解析結果に基づいて各給排気ポートの開閉タイミングを決定し, この設計諸元に基づいて実験装置の試作を行った.
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