Research Abstract |
現在,研究開発が進められている極超音速機,再使用型宇宙輸送機,またはその実験機等の先進的航空機に対し,複数の専門技術分野を自動的に統合し,機体コンセプト,推進エンジンの候補について正確な評価を下すシステムの構築を目指してきた.具体的には,これら先進的航空機の複合領域最適設計問題に,最新の最適化手法である高精度解析手法とロバスト最適化法の概念を導入し,様式の異なる複数の機体コンセプトの特徴を客観的により精度良く比較検討し,最も実現性が高いコンセプトを提案することを目的としている.これまで,計算負荷が大きい航空機の構造・重量解析と,亜音速から極超音速までの空気力計算を複合領域最適化法に取り組むために,応答曲面法の導入と改良,簡易/詳細複合モデル化(Variable Complexity Modeling)法,離散変数を考慮したハイブリッド最適化法の研究を行ってきた.平成22年度はこれらに加え,各解析に含まれる不確定要素による最適解の性能悪化のリスクを最小にとどめるため,ロバスト最適化法の研究とシステムへの統合をおこなった.本研究の最終年度であることから,これまでの研究成果を一つの複合領域最適設計システムにまとめるとともに,宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同研究契約を結び,JAXAが構想する極超音速実験機,極超音速旅客機に本研究成果である複合領域最適設計システムを適用して,各タイプの概念検討を行った.加えて,研究成果を総括し,成果発表を行った.
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