2008 Fiscal Year Annual Research Report
インフレータブル構造体を利用した新しい再突入飛行体システムの研究
Project/Area Number |
19760563
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大津 広敬 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (20313934)
|
Keywords | 再突入飛行体 / 高速空気力学 / 航空宇宙工学 |
Research Abstract |
今年度は、インフレータブル構造体を再突入カプセルに適用することにより、どの程度空力特性を改善することができるか、特に再突入カプセルの機軸に対して傾ける事により揚力がどの程度発生するかを主に風洞実験により明らかにすることを目指した。実験には、超音速風洞および極超音速風洞を用いて行った。実験には、再突入カプセルを模擬した球にインフレータブル構造体を模擬したリングを複数の金属製のロッドを用いて取り付けることで、リングと球の位置関係を変更できるようにした模型を作製した。 超音速風洞および極超音速風洞実験により、球とリングの大きさや位置関係により多少のぶれはあるものの、基本的にリングを傾けることにより揚力が増加し、抗力が減少することが確認され、結果的に揚抗比が増加することが明らかとなった。この結果は、昨年度予備的に行った簡易的な数値解析結果と同様の傾向を示している。このことから、インフレータブル構造体を傾けることにより再突入飛行時の減速Gを大幅に改善できる可能性があることが明らかとなった。 同時に風洞実験結果の評価のためにリングを傾けていない場合の数値流体シミュレーションを行った。その結果、衝撃波干渉の様子をほぼ正確に再現することができ、球とリングの位置関係により抗力がどのように変化するかを再現することができた。 また、超音速風同実験では、実飛行環境条件に近い状態を模擬するために、金属製のロッドのかわりにケブラー製の「ひも」を用いた実験を行い、リングの位置が通風中に安定した位置にとどまり、大きな振動が起きないことを確認した。
|
Research Products
(2 results)