2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760565
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三谷 友彦 Kyoto University, 生存圏研究所, 助教 (60362422)
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Keywords | 宇宙航空工学 / マイクロ波送信管 / 宇宙利用 / マグネトロン / 熱設計 / 電磁粒子シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、マグネトロンを衛星搭載送信機のマイクロ波送信管として新規開発することである。平成21年度の研究計画として、1.衛星搭載送信機用マグネトロンとしての新たな発振周波数安定化手法であるマイクロ波出力可変型位相制御マグネトロンの検討および開発、2.注入同期法を3次元マグネトロンシミュレータ内に実現させる手法の検討、を掲げた。 1. の研究成果は、注入同期法による周波数同期と、移相器制御によるマグネトロン位相のフィードバック機構を組み合わせることにより、マイクロ波出力可変型位相制御マグネトロンの開発に成功した。これにより、マイクロ波出力制御ができないという従来の位相制御マグネトロンの問題点を克服したとともに、マグネトロンの温度変化に対する周波数安定性、出力安定性の両方をある程度の範囲で補償することも可能となった。2. の研究成果に関しては、マグネトロンの出力アンテナ側から強制的にマイクロ波信号を注入することにより、注入同期法を3次元マグネトロンシミュレータ内に実現させることに成功した。ただし、周波数スペクトルのQ値等の評価値において、実際のマグネトロンとマグネトロンシミュレータとの間には定量的な差異があるため、マグネトロンシミュレータの精度を上げることが今後の課題である。 1.の研究成果の意義・重要性は、実際にマグネトロンを衛星搭載送信機として用いる際には周波数安定性、出力安定性の両方を補償することが極めて重要であるため、今回開発したマイクロ波出力可変型位相制御マグネトロンは衛星搭載送信機として利用するための足がかりになると考える。2.の研究成果の意義・重要性は、マグネトロンの物理現象をシミュレータ内に実現できたことであり、マグネトロンの開発のみならず学術的な理論考察を行う上でも非常に重要である。
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Research Products
(5 results)