2008 Fiscal Year Annual Research Report
高温熱面を用いた支援燃焼により高機能化を実現する宇宙用超小型推進機の基礎研究
Project/Area Number |
19760568
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
各務 聡 Kyushu Institute of Technology, 工学研究院, 助教 (80415653)
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Keywords | 宇宙推進 / 液体推進薬 / 高温熱面 |
Research Abstract |
当該年度において, 本研究で必要となる加熱装置および推力測定装置の試作を行い, さらにプラズマ源を用いて燃焼支援に関わる予備実験を行った. 加熱装置に関しては, ヒータ用電源系や計測制御系を試作し, 耐熱金属をヒータとするレジストジェット兼燃焼支援用熱源を設計しその試作を行った. また, 性能評価のために必要となる推力測定装置を試作した. 本推力測定装置は, flexi hingeと呼ばれる弾性バネ要素を用いた振り子型である. これまでに, 重量が既知のおもりを用いて試作した推力測定装置を較正し, 良好な線形性を有することを確認した. また, 本推力測定装置を現有する真空容器に取り付け, 宇宙用推進機を真空中で作動させたところ, 大気圧による真空容器の歪みによるドリフトや真空ポンプなどによる振動の影響もなく, 十分に推力測定が可能なことを確認するに至った. 液体の高温熱源による支援燃焼に関する知見を得るために, 現有するアークプラズマジェットを熱源とした実験を行った. 燃料成分であるDMEをプラズマ源としてアークプラズマと霧化したHAN酸化剤とを燃焼室に噴射したところ, 燃焼室圧力が上昇すること確認し, 熱源による燃焼支援を実証するに至った. また, プラズマジェットと液体推進薬の噴射方向とが成す角度によって燃焼室圧力や必要となる電力に変化が生じていた. このことから, 燃焼支援用の高温ガスジェットと液体推進薬の衝突角度が本推進機にとって重要なパラメータであることが示唆された.
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