2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温熱面を用いた支援燃焼により高機能化を実現する宇宙用超小型推進機の基礎研究
Project/Area Number |
19760568
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
各務 聡 Kyushu Institute of Technology, 工学研究院, 助教 (80415653)
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Keywords | 宇宙推進 / 液体推進薬 / 熱源による燃焼支援 / プラズマ |
Research Abstract |
本研究では,電気エネルギーを利用した支援燃焼を適用することにより,電気推進機モードと化学推進機モードを有するデュアルモード推進機を提案し,その作動の実証と性能の評価を実施した.当該年度は,入手性,環境適合性,貯蔵性に優れるエタノール/亜酸化窒素推進薬に着目した.当該推進薬に対しても電熱による支援燃焼が可能であることを実証するために,試作機を製作しその実験を行った.電気推進機モードの予備実験のために,亜酸化窒素を推進剤としたアークジェット推進機を試作し,推力室圧力の上昇と推力発生を確認することにより電気推進機モードでの作動を実証するに至った. 提案する推進機の化学モードが作動することを実証した.エタノールと亜酸化窒素を用いた同軸型噴射器を試作し,PDPA(位相ドップラー粒子分析機)を用いてエタノールの液滴を分析したところ,並進速度は69m/s, Sauter平均直径は30μmとなった.これを基に必要な燃焼室長さを検討し設計指針とした.試作した推進機において,亜酸化窒素アークプラズマによりエタノールと亜酸化窒素の燃焼を維持されていることを確認し,燃焼完了度を表すC^*効率は最大で88%を得た.これより,亜酸化窒素/エタノール推進薬においても,提案した推進機の化学推進機モードでの作動を実証できたと言える.また,アークジェットの噴射器の対向角度により,C^*効率が変化していた.
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