2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ加工技術を応用した現場型金属イオン定量分析装置の開発と実海域展開
Project/Area Number |
19760575
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福場 辰洋 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 特任准教授 (80401272)
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Keywords | 環境分析 / 海洋探査 / 深海環境 / マイクロ・ナノデバイス / 海洋科学 / 金属イオン / マンガン / PDMS |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに製作したPDMS・ガラス製マイクロ流体デバイスを有する現場型金属イオン定量分析装置のプロトタイプ製作を行った。具体的には、1)送液の為の小型ポンプ・バルブ系の選定と流体マニホルドの製作、2)サンプル採集のためのポンプ選定と集積化、3)低いノイズかつ高感度な光検出系を有する制御・電装系の設計・製作、4)アクリル製耐圧窓を有する制御・電装系用耐圧容器の設計・製作、及び5)上記システムをリアルタイムに操作・監視し、同時にデータの取得を行うためのソフトウエア開発を実施した。その結果、6000mまでの現場運用を可能とするプロトタイプシステムのモックアップを完成させた。これにより、サンプルを取り込み、マイクロ流体デバイス内において鉄イオンの除去、マンガンイオンの高感度検出までを全自動で行うことが可能になった。平成20年6月及び12月に実施された研究航海(NT08-11, 24)及び平成21年3月に実施された石垣島・竹富島海底温泉調査に参加し、装置の評価に必要な現場海水サンプルを取得した。 本装置の現場運用を実施するにはプロトタイプシステムの安定性・信頼性に関する事前評価が必要であるため、本年度は実海域運用試験については実施しなかった。ただし、ほぼ同等の部品構成の現場型微生物活性分析装置に関しては深海域も含めた現場運用に既に成功しているため、金属イオン定量分析装置の実現について技術的な課題はほぼ解決済みであるといえる。そこで、本年度は平成21年度中の現場運用試験に向けた計画を立案した。
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Research Products
(6 results)