2008 Fiscal Year Annual Research Report
流体と構造の連成解析による長大弾性管の疲労寿命推定
Project/Area Number |
19760577
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
千賀 英敬 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (60432522)
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Keywords | 渦励振 / 3次元連成 / 疲労破壊 / "8"字型運動 / 模型実験 |
Research Abstract |
流体と構造の連成解析を行うことにより長大弾性管の疲労寿命を推定するためには、疲労破壊の主原因である渦励振を正確に再現する必要がある。そのためには実現象として発生しやすい運動を検証する必要がある。一様流中に置かれた剛体円柱から渦がfs[1/sec]で流出する場合、-様流と垂直・平行方向に働く揚力・抗力はそれぞれfs, 2fs[1/sec]で振動する。このような揚力・抗力の変動により、剛体円柱断面が"8"字の軌跡を描くように運動する。過去に曳航水槽にて行った長大弾性管模型の曳航実験においても、弾性管模型が"8"字型の軌跡を描く運動が観測され、曳航速度を変えることにより円運動も観測された。このような長大弾性管の断面が円や"8"字型の軌跡を描く運動は渦励振によって励起される運動であるが、本研究では静水中にて剛体円柱の断面が円や"8"字型の軌跡を描くように弦制動揺させ、発生する力と流出渦の様子を観察した。実験により計測された揚力・抗力は非常に小さく、運動振幅が小さい場合の詳細な解析が困難であったため、流場を解析するために2次元CFDを用いた。解析に用いたCFDは今回行った剛体円柱の強制動揺実験の中で運動振幅の大きい条件下で得られた実験結果と比較し、検証を行った。 円や"8"字の運動振幅を変えCFDを用いて算出した、強制動揺運動する剛体円柱から流出する渦による剛体円柱に働く揚力・抗力の変動を解析した。円運動の場合、KC数を2πr/Dと定義すると、揚力の振動数flと円運動の周波数fcの関係はKC数が12程度まではfl/fc=1or2となる。これは静水中で単振動を行う剛体円柱と同じ傾向である。それ以上のKC数では一様流中に置かれた剛体円柱と同じfl/fc=0.2KCとなる。"8"字運動の場合(運動の周波数はf_8)、KC数は2√<2>πr/Dであり、運動の方向が変化する4ヶ所で渦が流出しやすい。実現象として発生する渦励振の運動振幅から算崩したKC数の範囲では6箇所で渦が安定して流出するため、fl/f_8=3となることがわかった。
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Research Products
(2 results)