2007 Fiscal Year Annual Research Report
吸油性ゲルを用いた再利用可能油水分離ゲルシートの開発
Project/Area Number |
19760581
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Research Institution | Yuge National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
村上 知弘 Yuge National College of Maritime Technology, 商船学科, 准教授 (60280476)
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Keywords | 高分子ゲル / 油水分離 / 再利用 / 吸油ゲル |
Research Abstract |
本研究では、油水分離ゲルシートの作成を試み、水と油を別々にして処理を行い、また使用したシートも繰り返し使用可能なシートを作成することを目的とする。吸水材としては感温性ゲルとして知られているポリN-イソプロピルアクリルアミド(PNIPA)ゲルを使用した。PNIPAゲルは温度や圧力の変化によってその体積を大きく変化させる体積相転移という特異な現象を持つことが知られている。この体積相転移象を利用して、吸収した水を素早く放出することによって再び吸水できるので再利用を可能にしている。 PNIPAゲルの排出をマイクロスコープで可視化した。通常使用されている高吸水性ポリマーが連続使用すると形状が崩れるのに対し、PNIPAゲルは何度使用しても形状を保持することが明らかとなった。 一方、油の吸油に関しては、吸油性ゲルの一種であるアクリル酸オクタデシル(ODA)ゲルを使用した。これまでの吸油性ポリマーを違いゲルなので、体積変化による油の排出が可能となる。油の吸排出の基礎的知見のため、ベンゼン中のODAゲルの温度依存性を調べた。それらの結果から室温近辺の低温では大きいな体積変化は見られなかった。しかしながら、今回のODAゲルはイオン化していなかったので、イオン化すれば、体積変化が見られる可能性がある。ODAゲルに関しては物性がまだ理解できていないため、今後、イオン化したゲルを使用することによって、温度依存性などの詳細なデータが必要と考えている。
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