2009 Fiscal Year Annual Research Report
吸油性ゲルを用いた再利用可能油水分離ゲルシートの開発
Project/Area Number |
19760581
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Research Institution | Yuge National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
村上 知弘 Yuge National College of Maritime Technology, 商船学科, 准教授 (60280476)
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Keywords | 高分子ゲル / 油水分離 / 再利用 / 吸油ゲル |
Research Abstract |
再利用可能な油水分離シートを作成するために、吸水性ゲルと吸油性ゲルの溶媒吸収特性を中心に調べた。吸水性ゲルは、ポリN-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)ゲルを使用し、これまでも同ゲルの吸排水特性を調べてきた。今回吸水材として用いるため、NIPAゲルを200μm程度のゲルパウダーとして、同パウダーの吸水及び排水を顕微鏡に搭載させたカメラを用いることによって視覚的な観点からも調べた。一方、吸油性ゲルは、アクリル酸オクタデシル(ODA)ゲルを用いた。同ゲルをイオン化し、NIPAゲルと同様に体積変化の温度依存性を調べた。それらの結果から、NIPAゲルは、高温収縮・低温膨潤型だが、ODAゲルは、高温膨潤・低温収縮型であることが確認された。しかしながらODAゲルに関しては、低温でも収縮というほど収縮はしない。本研究目的の一つである船舶で排出される少量ビルジの処理では、ビルジが低温のため、油及び水ともにこの両ゲルを使用することによって、吸収することが可能である。油と水を別々なゲルに吸収させた後、吸水性ゲルであるNIPAゲルの転移温度以上に温度を持って行くことによって水のみがゲルから排出されることが確認された。これらの結果から、両ゲルを内包させたシートが再利用可能な油水分離ゲルシートとして使用できることが示された。
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