2007 Fiscal Year Annual Research Report
革新的ソノフォトキャタリシス法の開発および有機性汚泥低減・資源化システムへの応用
Project/Area Number |
19760589
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 直人 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (90396531)
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Keywords | ソノフォトキャタリシス / 超音波 / 光触媒 / 共振 / 圧電効果 / 汚泥 / 減容化 / バイオマス資源 |
Research Abstract |
本研究の目的は,(1)革新的ソノフォトキャタリシス(超音波照射と光触媒反応の併用)法の開発と(2)有機性汚泥低減・資源化システムへの応用ポテンシャルの評価に分けられる。前者は,照射する超音波の一部を受けることにより共振を起こし,圧電効果により電圧を発生してLED(紫外光または可視光発光ダイオード)を点灯させるという新規の提案に基づく光触媒反応励起用分散光源カプセルの開発であり,後者はそのカプセルを用いて実際の有機性汚泥のソノフォトキャタリシス処理により,生分解性やバイオガス・リン回収特性への影響の評価と,既存のソノフォトキャタリシス法との比較を行うものである。 本年度は本研究で最も重要である(1)に関して取り組み,「圧電セラミック素子-LED一体化カプセル」の作製を行った。まずはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなり,共振周波数28kHzおよび176kHzに設計された圧電素子にオシロスコープを接続し,水中にて28kHzおよび176kHzの超音波(出力200W)を照射した結果,特に176kHzの場合に±6V(実効値4.3V)の高い交流電圧が発生することを発見した。そこで176kHz共振用圧電素子に紫外光(360〜375nm)LEDを接続し,安定して点灯することを確認した。発生電圧は水中の位置に殆ど依存しなかったが,振幅が超音波出力にほぼ比例した。これらの結果を踏まえ,176kHz共振用圧電素子,紫外線LED,整流ダイオード,抵抗器からなる回路を設計・作製し,PETミニボトル中に樹脂埋めしたカプセルを試作した。これを水中に投入し,攪拌機により撹拌させながら超音波照射を行うことにより,分散されながらLEDが点灯することを確かめた。今後はカプセル構造の最適化と,カプセルを数個投入した上でのソノフォトキャタリシス分解実験を行う予定である。
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