2008 Fiscal Year Annual Research Report
革新的ソノフォトキャタリシス法の開発および有機性汚泥低減・資源化システムへの応用
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19760589
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 直人 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (90396531)
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Keywords | ソノフォトキャタリシス / 超音波 / 光触媒 / 共振 / 圧電効果 / 汚泥 / 減容化 / バイオマス資源 |
Research Abstract |
本研究では, 有機性汚泥の減容化・資源増進回収のための予備処理プロセスや, 難分解性有機汚染物質の分解無害化処理プロセスとして, 超音波反応と光触媒反応の高い複合効果を期待するソノフォトキャタリシス(SP)法の実用化を目指し, 分散光源型SP法を提案している。このプロセスは, 圧電素子の超音波共振によって励起された圧電効果による発生電圧を利用し, 紫外線LEDを点灯させるという原理に基づいた小型発光装置を, 超音波照射場に複数個分散させて行うものである。昨年度までに試作した「圧電素子-LED一体化カプセル」の設計回路を基にし, 更なる小型化と高出力化のために, 12mm角のプリント基板上に圧電素子1個と紫外線LED8個とを搭載した, 小型発光装置の作製を行った。発光装置には防水加工を施し, また処理水中で超音波音響流れに乗って分散するよう, 発泡スチロールを貼り付けて浮力の調整を行った。分散型SP法の分解能を評価するため, 発光装置を10個(紫外線LED合計80個)用いて水溶液中メチレンブルー分解実験を行った。比較として超音波法のみ, 電子基板に搭載した80個の紫外線LEDを固定光源として用いる光触媒法, 紫外線LED80個を用いた固定型SP法による分解実験を行った。比較・評価は残留率の時間変化の対数プロットより, 擬一次反応を仮定した分解速度定数を算出することにより行った。その結果, いずれのSP法においても, 超音波法および光触媒法による速度定数の和を上回り, 複合効果を確認した。複合効果は固定型で7.5%, 分散型で18%に達し, 分散型による高効率化は, 主に発光装置の分散により紫外線が広範囲に行きわたり, 光触媒反応が促進したことによるものと推察した。なお難分解性有機汚染物質であるジクロロベンゼンや, 有機性汚泥試料を用いた分解実験も行い, 分散型SP法による高効率化を確認した。
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Research Products
(3 results)