2008 Fiscal Year Annual Research Report
都市ごみ焼却残渣の水熱-炭酸化連続処理による再資源化
Project/Area Number |
19760591
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江藤 次郎 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 学術研究員 (90380592)
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Keywords | リサイクル / 都市ごみ焼却残渣 / 重金属安定化 / 水熱処理 / 炭酸化処理 / 酸性雨 |
Research Abstract |
循環型社会の実現へ向け、廃棄物最終処分量の削減が喫緊の課題として社会から要請されており、焼却・溶融処理残渣を有効利用する取り組みがなされつつあるが、なお年間680万トンの焼却残渣が埋立処分されており、最終処分場の容量不足が依然課題となっている。この問題を解決するためには、都市ごみ焼却残渣をリサイクル資源として再利用することが、最も有効な手段である。 焼却残渣の土木資材等への有効利用のためには焼却残渣中に含有される有害重金属の存在形態を利用先の環境において長期に安定なものに改変する必要があるが、酸性雨の影響を考慮すると焼却残渣本来のアルカリ性の環境のみならず、中性から弱酸性のpH領域においても重金属を安定して焼却残渣内に保持し、外部への溶出を防ぐ必要がある。 本研究は、都市ごみ焼却残渣をリサイクル資源として再利用するため、水熱処理および加速炭酸化処理を行うことで、土木資材として求められる重金属の非溶出性と長期安定性を併せ持つ環境安全なリサイクル資源の創出を試みるものである。 本年度は水熱処理後の試料を炭酸化処理することによる重金属の安定化について基礎的研究を行った。水熱処理により、熱水性鉱物が生成され、幅広いpH条件において重金属の溶出が抑制される。加えて炭酸化処理をおこなうことで方解石が生成すると共に、酸性から中性域においてさらに重金属の溶出が抑制されることを見出した。 これらの結果から、清掃工場からの廃熱と排ガスを有効利用した焼却残渣の環境安全なリサイクルが可能であることが示された。
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