2007 Fiscal Year Annual Research Report
セルフジョイント方式を導入した革新的超伝導マグネットへの挑戦
Project/Area Number |
19760593
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 悟 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (60422078)
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Keywords | 分割型高温超伝導マグネット / 高温超伝導ケーブル / バットジョイント / セルフジョイント / 機械的接合 |
Research Abstract |
本研究では、負膨張・電磁力を利用したセルフジョイント技術を確立し、大電流印加時、高磁場環境下で高温超伝導ケーブルの機械的接合法の試験を実施することにより、大電流・高磁場用分割型高温超伝導マグネットが設計可能であることを示すことを目的としている。 初年度にあたる本年度は、まず、不熱膨張特性を持つDFRPを組み込んだ実験装置を用いて、BSCCO2223ケーブルの接合試験を液体窒素浸漬冷却体系およびGM冷凍機伝導冷却体系で行い、DFRPによる接合法の検証を行った。まず、液体窒素浸漬冷却体系において、接合部付近に設置したひずみゲージにより、温度低下にともなってDFRPが膨張し、接合力が得られることを確認した。液体窒素浸漬冷却体系で行った実験においては、従来の接合試験に近い性能を得ることができたが、GM冷凍機伝導冷却体系で行った実験においては、装置組立時の不具合により、従来の接合試験で得られた接合抵抗よりも大きな接合抵抗が得られた。また、温度低下によって接合抵抗は低下することが確認されたが、これは温度低下にともなうDFRPによる接合力の増加と、ケーブルの臨界電流密度の向上の2つの要因があり、それぞれの要因の度合いがどの程度であるかを今後、明らかにしていく必要がある。 また、高電流印加用のケーブルとして、新たにコンジット型BSCCO2223ケーブルを製作し、液体窒素浸漬冷却体系でその臨界電流が750Aであることを確認した。このケーブルを用いて接合試験を行ったが、ケーブル構造の問題により、十分に低い接合抵抗が得られなかったため、今後はケーブル構造を最適化するとともに、ケーブルを構成する高温超伝導テープの枚数を増やすことによってkAオーダーの電流を流せるケーブルを製作し、kAオーダーの電流を印加した場合の接合性能を評価する必要がある。
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