2008 Fiscal Year Annual Research Report
セルフジョイント方式を導入した革新的超伝導マグネットへの挑戦
Project/Area Number |
19760593
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 悟 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (60422078)
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Keywords | 分割型高温超伝導マグネット / 高温超伝導ケーブル / バットジョイント / セルフジョイント / 機械的接合 |
Research Abstract |
本研究では、負熱膨張・電磁力を利用したセルフジョイント技術を確立し、大電流印加時、高磁場環境下で高温超電導ケーブルの機械的接合法の試験を実施することにより、大電流・高磁場用分割型高温超伝導マグネットが設計可能であることを示すことを目的としている。 初年度の研究において、負熱膨張特性を持つDFRPを用いて、BSCCO2223ケーブルの機械的バットジョイントの試験を行った結果、DFRPの膨張による接合力の増加と、ケーブルの臨界電流密度の向上により、温度が低下すると接合抵抗が低減されることが確認された。2年目にあたる今年度は、BSCCO2223ケーブルのバットジョイントにおいて観察される臨界電流の向上による接合抵抗の低減効果の度合いについて定量的な考察を加えることを目的として、実験データと解析に基づくBSCCO2223ケーブルの臨界電流の予測、および新たな接合試験機の製作とその試験機での接合試験を行った。 臨界電流解析では、解析コードの妥当性を得ることはできたが、解析に導入した実験データが自己磁場の影響を考慮していなかったものであったため、正確な臨界電流の予測のために、今後はBSCCO2223テープの自己磁場の分布を実験的に取得することが必要である。また、本年度、製作した接合試験機では、組立時の不具合により、温度低下にともなう臨界電流の上昇と接合抵抗の変化の関係を評価するために必要なデータを取得することができなかった。 また、銅ジャケット付BSCCO2223ケーブルを製作し、液体窒素温度において臨界電流900Aを達成した。今後は、この銅ジャケット付BSCCO2223ケーブルを用いて、また本年度の装置の問題を踏まえて、装置を改良し、接合時の磁場-温度-接合抵抗特性の評価を行う予定である。
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