2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760599
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
近藤 正聡 National Institute for Fusion Science, 炉工学研究センター, 助教 (70435519)
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Keywords | ブランケット / 固体電解質 / センサー / 液体金属 / 溶融塩 / トリチウム / 核融合 / ポテンシャル |
Research Abstract |
研究成果の概要 強還元雰囲気である核融合炉の液体ブランケットシステムで使用可能な固体電解質を用いたオンライン水素センサーに関する基礎研究を実施した。主な研究成果は以下の通りである。 (1) 液体ブランケットの強還元雰囲気において化学的に高い安定性を持たせるため、熱力学的な絞込みを行い、非常に低い自由生成エネルギーの酸化物を形成するスカンジウムをドーパン下として使用した固体電解質のCaZr_<0.95>Sc_<0.05>O_<3-a>を製作した。 (2) CaZr_<0.95>Sc_<0.5>O_<3-a>をセンサー材料とする水素センサーを製作し、600度の水素混合ガス中で特性試験を実施した。水素センサーの起電力を、測定極側と基準極側のそれぞれ既定された水素濃度とネルンストの式による理論値と比較した。その結果、従来の研究で用いられてきたInドープのタイプと同様に高い安定性と再現性が得られる事がわかった。これにより、センサーとしての性質を低下させずに熱力学的安定性を向上させることができた。 (3) 上記の水素センサーを低い酸素ポテンシャルを持つ液体金属アルミニウム中に浸漬し、特性評価試験を実施した。アルミ中の水素濃度を気液平衡法や脱ガス法などにより変化により、センサー起電力も十分な速さで応答を示した。アルミニウム中の水素濃度を一定に保持し、参照極ガスを入れ替える事によりセンサー起電力の信頼性を調べた結果、理論値に良く合致する事がわかった。これにより、液体ブランケットにおいて使用可能なセンサーの開発に見通しを得た。
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Research Products
(3 results)