2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760600
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
長坂 琢也 National Institute for Fusion Science, 炉工学研究センター, 准教授 (40311203)
|
Keywords | 低放射化フェライト鋼 / 低放射化バナジウム合金 / 核融合炉液体ブランケット / 異材接合 / 腐食 / 液体金属 / 溶融塩 / 照射硬化 |
Research Abstract |
電子ビーム溶接にて、低放射化フェライト鋼F82H(Fe-8Cr-2W-0.1C)、純バナジウム(V)及び316Lステンレス鋼(Fe-18Cr-12Ni-2Mo)の異種溶接材を作製した。F82H-316L溶接材では、電子ビーム照射位置が突合せ位置の場合、溶接位置が突き合わせ位置の場合には、溶接金属の硬さが400Hvあり脆化していることが示唆された。これを溶接後熱処理しても、元の硬さ200Hvまで回復させることはできなかった。シェフラーの状態図及び溶接金属の電子顕微鏡を用いた蛍光X線分光分析によると、溶接金属ではマルテンサイト相が生成していると考えられる。この相の生成を抑えるために、電子ビーム照射位置のシフトを行った。その結果、照射位置を316L側に0.2mmシフトし、750℃×1hrの溶接後熱処理を施すことで、上記の硬化を回避することができ、溶接条件が明らかとなった。溶接試料について、引張試験、曲げ試験、シャルピー試験を行い、母材並みの良好な機械的特性を確認した。一方で、加速器で0.5dpaまでプロトン照射を行った結果、照射硬化量は57Hvであり、これは316Lの過去のデータ145Hvより小さく、また照射欠陥も特異なものはできないことから、照射後の機械的特性は母材より悪くなることはないと考えられる。以上の成果を日本原子力学会「2008年秋の大会」及び、第18回核融合エネルギー工学トピカル会議にて発表した。一方、純V-316L溶接では溶接金属の硬さが550Hvと想定外に硬化したことから、原因を究明中である。また、液体増殖材溶融塩Flibe中での腐食を模擬するための、HFガス腐食試験装置の準備を行った。
|