2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760601
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山口 聡一朗 Kansai University, システム理工学部, 助教 (30413991)
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Keywords | マイクロ波イメージング / MIR |
Research Abstract |
昨年度に開発された高感度のイメージング検出器をさらに発展させ, 2つの異なるタイプの検出器を新たに開発した。1つは産業応用に向けて低い受信周波数(7〜14GHz帯)用に設計された2次元検出器アレイである。アンテナ素子の基板に半割型の反射鏡を挟み込み, アンテナ素子の受信感度と指向性を共に高めた。この検出器は次年度より研究開発が始めるマイクロ波計算機トモグラフィーという新しい画像診断装置に組み込み, 将来的には数ミリサイズの小さながん組織(肺ガン・乳ガン)の位置と大きさを検出したり, トンネル内壁・超高層ビル等のコンクリート構造物の安全かつ高速に調べる新しい画像診断装置に利用する。もう1つの検出器は, 超高温プラズマの内部を観測するために高い受信周波数(50〜75GHz帯)用に設計された2次元検出器アレイである。核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)において現在開発が進められているマイクロ波イメージング反射計(MIR)に本検出器が組み込まれる。アンテナ素子数8×8=64個により, 最小64画素の電子密度揺動の2次元像が得られる。また, プラズマに向けて4周波数のマイクロ波を同時に照射するため, プラズマの深さ方向に離れた4層の反射面からの2次元像が得られる。よって, 超高温プラズマ内部において64画素×4周波数=256チャンネルという前例のない大規模な3次元観測が可能となり, 電子密度揺動やプラズマ乱流構造の3次元可視化が期待される。また, 低コストの位相計測モジュールも完成し, 上記のMIRに初めて組み込まれる。昨年度に産業技術総合研究所の逆磁場ピンチ装置TPE-RXで実施されたイメージング検出器を用いた初めてのプラズマ実験によって, プラズマのダイナモ現象を左右する乱流モードを示唆する観測結果が得られ, 共著論文として公表する予定である。本研究において開発されたイメージング検出器は現在, 特許申請中である。
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