2008 Fiscal Year Annual Research Report
トリチウム水を用いた材料表面の水の存在状態のメカニズム解明に関する研究
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19760604
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
小林 和容 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (40354609)
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Keywords | トリチウム水蒸気 / 吸着・脱離 / 同位体交換 / 水蒸気 / FT-IR / 拡散・溶解・トラップ効果 |
Research Abstract |
昨年度に実施した有機系材料(アクリル樹脂、ブチルゴム、エポキシ塗料)への吸着・脱離実験を継続しつつ、コンクリート試料(セメントペースト、モルタル、コンクリート)に対するトリチウム水蒸気の吸着・脱離試験を実施した。また、並行して、重水を用いた有機系材料への曝露試験により、材料表面に吸着した吸着種についてFT-IRを用いて測定した。 1.有機系材料(アクリル樹脂、ブチルゴム、エポキシ塗料)に対するトリチウム水蒸気曝露試験では、2週間程度で飽和に達することが明らかになり、材料への吸着量については、エポキシ塗料>ブチルゴム=アクリル樹脂となった。 2.コンクリート試料(セメントペースト、モルタル、コンクリート)に対するトリチウム水蒸気曝露試験では、コンクリートは1ヶ月程度で飽和するものの、セメントペースト、モルタルは1ヶ月以上経っても飽和しないことが明らかになった。吸着量も有機系材料に比べ非常に多く取り込まれることが明らかになった。 3.トリチウム水蒸気が吸着した有機系材料に対し、湿潤空気の水蒸気をパラメータにトリチウム水蒸気脱離試験を実施したところ、数千ppmの水蒸気を添加しても、数百ppmの水蒸気を添加したときの脱離量と変わりが無く、添加水蒸気量は、数百ppm程度が十分効果的であることが明らかになった。 4.有機系材料に重水を曝露した後、FT-IRで測定したところ、材料表面に「-OD」に起因するピークが確認された。その後、大気に曝すことにより、「-OD」ピークが減少し、「-OH」ピークが増加することが確認できた。
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