2007 Fiscal Year Annual Research Report
選択的な分子捕捉機能を有するナノ-マイクロ分子ふるいの開発研究
Project/Area Number |
19760613
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大島 明博 Waseda University, 理工学術院, 講師 (80398924)
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Keywords | ナノ多機能材料 / ナノ構造形成・制御 / 加速器・ビーム工学 / 新機能材料 |
Research Abstract |
本研究では、これまでに研究を進めてきたパーフルオロ系架橋体に対して、集束イオンビームやシンクロトロン光により多段的に精密微細加工を施すことで、孔制御された耐環境性、耐放射線性に優れるパーフルオロ系架橋体のナノーマイクロ微粒子多段フィルターを作製し、さらには、電子線グラフト技術と組み合わせることで、孔側面に化学修飾を行い、選択的分子捕捉機能を有するナノーマイクロ分子ふるいを開発することを目的とする。今年度は、ナノ徴細加工条件の最適化、ならびに、樹脂表層に官能基を付与するグラフト反応条件について検討を行った。 ナノ加工に当たっては、PTFE分散液(XAD-911、旭硝子フロロポリマーズ社製)をSiウエハ上にスピンコートした後、360℃で焼成したPTFE(スピンコートPTFE)を用いた。各試料に対して窒素気流中335±3℃で600kGyの電子線照射を行い、架橋処理を施した。試料に対して阪大産研設置のFIB装置を用い、マスクレス直接エッチングを行った。フルエンスやビーム電流値を変えてライン加工を行い、加工後、FE-SEMで試料を観察し、加工線幅等の加工性を評価した。架橋処理を施したスピンコートPTFEに対して、FIB装置により加工した際、200nm程度の孔状の多孔フィルターを作製することに成功した。また、機能化については、試料に膜厚50mmのPTFEフィルム(ニチアス株式会社製Naflon®Tape)および表面層のみに機能性を付与するため、超低エネルギー加速器による電子線照射を窒素中行い、表面層10mm前後でラジカルを誘起した。その後、スチレンモノマーをグラフト処理することを検討した。その結果、フッ素樹脂の表層のみを撥水性から親水化処理することに成功し、孔に対して機能性付与が可能であることが明らかになった。
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