2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760619
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
佐藤 隆博 Japan Atomic Energy Agency, 放射線高度利用施設部, 研究職 (10370404)
|
Keywords | 加速器 / イオンビーム / 元素分析 |
Research Abstract |
本研究では、組織切片などの1mm以下の非常に微小な試料を回転させ、イオンマイクロビームを用いた二次元微量元素分析法として実績のあるマイクロPIXE (Particle Induced X-ray Emission ; 粒子励起X線)分析を行い、X線CT (Computerized Tomography ; コンピュータ断層撮影法)等で用いられている画像再構成の手法を適用し、微小試料内の微量元素の三次元分布を測定する手法を開発した。本手法では、X線CT等と異なり、試料の内部でイオンマイクロビームのエネルギーが減少することによるX線の発生断面積の変化や、発生したX線の試料内での吸収を補正する必要がある。これらの補正のためには試料の立体構造、すなわち炭素、水素、酸素などの生体試料の主要元素の密度分布をあらかじめ測定しておかなければならない。そこで本研究では、試料の密度を三次元的に測定するSTIM (Scanning Transmission Ion Microscopy) -CT測定システムと画像再構成と吸収補正のための計算コードの開発を行い、それらを用いて、試料中の主要元素の比率は一定であると仮定しマイクロPIXEで得られる微量元素分布の投影像を補正し、画像再構成を行うことで、微量元素の三次元分布を得ることに成功した。これらの成果は、2008年7月にハンガリーで開催された国際学会11th International Conference on Nuclear Microprobe Technology and Applicationsにおいて発表された。
|