2007 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的手法による高温木質系バイオマス乾留ガスからの高純度水素分離に関する研究
Project/Area Number |
19760623
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小西 宏和 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (60379120)
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Keywords | 水素 / バイオマス / 電気化学 / 固体電解質 / 乾留 |
Research Abstract |
本研究では、プロトン導電性固体電解質を用いた電気化学的手法による高温木質系バイオマス乾留ガスからの高純度水素分離を目的とし、その基礎となる研究開発に取り組む。 本年度は、木質系バイオマス(杉、檜)を用いて1000℃で乾留実験を行い、H_2およびその他ガス成分の発生量を求めた。さらにSPS(Spark Plasma Sintering)法を用いてプロトン導電性固体電解質であるSrZr_<1-x>YxO_<3-α>Ctの作製と物性評価を行い、以下の結論を得た。 (1)杉および檜を1000℃で乾留した際、石炭よりも比較的低温からH_2およびCOガスが発生した。また、乾留発生ガスの総体積では、H_2ガスは檜の方が杉より多量であった。COおよびCO_2ガスについては、杉の方が多量であった。炭化水素系ガスは檜と杉で同程度であった。 (3)Y_2O_3およびSrCO3添加量がそれぞれx=0.05〜0.10、0.90〜1.1の場合、ペロブスカイト型構造を有する単相のSrZr_<1-x>YxO_<3-α>Ctを作製できることがわかった。 (4)SPS法は通常焼結法(1580℃、10h)より200〜300℃低温で緻密な焼結体を作製できた。 (5)1400℃で1、3、5minのSPSを行ったところ、1、3minの試料では相対密度が約95%程度であったが、5minの試料においては98.5%と高く、緻密な焼結体を作製できた。1300、1400℃においても焼結時間を長くすることにより、1500℃と同程度の緻密な焼結体を作製できることがわかった。
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Research Products
(2 results)