2008 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的手法による高温木質系バイオマス乾留ガスからの高純度水素分離に関する研究
Project/Area Number |
19760623
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小西 宏和 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (60379120)
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Keywords | 水素 / バイオマス / 電気化学 / 固体電解質 / 乾留 |
Research Abstract |
本研究では、プロトン導電性固体電解質を用いた電気化学的手法による高温木質系バイオマス乾留ガスからの高純度水素分離を目的とし、その基礎となる研究開発に取り組む。 本年度は、SBS(Spark Plasma Sintering)法を用いてプロトン導電性固体電解質であるSrZr_<1-x>Y_xO_<3-α>の作製と物性評価および模擬高温木質系バイオマス乾留ガスからの水素分離実験を行い、以下の成果を得た。 (1) 1000℃の模擬高温木質系バイオマス乾留ガス(H_2-49.6%, CO-6.76%, CO_2-2.93%, CH_4-31.6%, N_2-9.11%)雰囲気下において、SrZr_<1-x>Y_xO_<3-α>を10時間以上保持したところ、その結晶構造は変化せず、化学的に安定であることがわかった。また、その導電率はH_2-Ar混合ガス(H_2-50%, Ar-50%)雰囲気と同程度であり、雰囲気による導電率の低下は生じなかった。 (2) SrZr_<1-x>Y_xO_<3-α>を用いて起電力測定を行ったところ、イオン輸率が0.9と高い値を示した。 (3) SrZr_<1-x>Y_xO_<3-α>を用いて水素分離実験時の電圧測定を行ったところ、模擬高温木質系バイオマス乾留ガス雰囲気下における電極反応過電圧は、H_2-Ar混合ガスよりも数100mV高くなったが印加電圧は同程度であることがわかった。 (4) SrZr_<1-x>Y_xO_<3-α>を用いた模擬高温木質系バイオマス乾留ガスからの水素分離実験において、排出ガスから水素のみ分離され、約58A・m^<-2>まで電流密度とともに水素分離量が増加した。
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Research Products
(2 results)