2007 Fiscal Year Annual Research Report
胚盤胞における雌雄差と機能性 small RNA の分子生物学的解析
Project/Area Number |
19770004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 慎 Osaka University, 微生物病研究所, 特任助教 (10397664)
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Keywords | 性分化 / smalIRNA / 胚盤胞 |
Research Abstract |
哺乳類の遺伝学的な性(雄はXY,雌はXX)は受精時に決まり、ついでSryの発現が引き金となって生殖腺の性が決まり、生殖腺からの性ホルモンが全身に作用して雌雄に様々なちがいを引き起こすといわれている。しかし着床前に雄は雌より早く成長するという報告があり、この時期の雌雄の性分化を示唆している可能性が高い。そこで「雌雄の発生がいつから異なるのか?」というテーマに取り組むため雌雄の発生を比較してきた。我々のこれまでの研究から、従来考えられていたより早い時期に既に雌雄の遺伝子発現が異なることをDNAマイクロアレイの解析により明らかにした。一方、最近の研究により、smallRNAと呼ばれる低分子のRNAが見つかってきており、これらは哺乳類の発生において重要な機能を持ち、正常な個体発生に必須の分子であることがわかってきたそこで雌雄の発生を分子生物学的に比べるには既知遺伝子だけではなく、smallRNAの解析が是非とも必要である。現在、雌雄間で発現の異なるsmallRNA分子を探索を行うために胚盤胞におけるsmallRNAlibraryの作製を行っている。胚盤胞は微量のサンプルであり、これら限られた材料からオリジナルのクローン数の多いLibraryを作るため、さまざまな条件検討を行った。PCRによるサンプルの増幅などの工夫を凝らすことにより、現在胚盤胞1000個から非常にオリジナルのクローン数が多い良質のライブラリーを作る条件を確立することに成功した。今後は、雌雄胚盤胞のサンプルを用いてライブラリーを作成する予定である。
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