2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770005
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂本 尚昭 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 准教授 (00332338)
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Keywords | インスレーター / クロマチン |
Research Abstract |
Arsインスレーターのクロマチン構造形成能を解析するために、バフンウニ初期型ヒストン遺伝子を用いて、リコンビナントウニヒストンを調製した。その際、合成効率の低かったH2AとH4については、コドンを大腸菌に最適化した人工遺伝子を作製して、リコンビナントウニヒストンの調製に用いた。これらのリコンビナントウニヒストンを用いてArsインスレーター断片上にクロマチンを再構成し、またポジティブコントロールとして、ウニLytechinus variegatusの5S rDNA断片(208bp)を3個連結したものを用いた。再構成されたことを確認した後、マイクロコッカルヌクレアーゼ(MNase)に対する感受性を調べたところ、Arsインスレーターの中央部分から下流側領域においてMNaseに対する高い感受性が検出された。また、Arsインスレーターの上流側領域においてはヌクレオソームのポジショニングによりMNaseによる切断から保護される領域が検出された。 Arsインスレーターの活性中心領域を検索するために、Arsインスレーターの欠失変異体を作製し、エンハンサーとプロモーターの間に挿入したレポーター遺伝子を構築した。これを用いてArsインスレーター欠失変異体のインスレーター活性を測定したところ、Arsインスレーターの中央部付近にインスレーター活性に重要なコア領域が存在することが示唆された。 以上の結果を総合的に解析すると、Arsインスレーターのヌクレアーゼ感受性を示す部位とArsインスレーター活性のコア領域には相関がみられたことから、この領域における開かれたクロマチン構造がArsインスレーターの活性に重要であることが示唆された。今後、Arsインスレーター機能における結合タンパク質の役割についても検討したい。
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