2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770006
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
七宮 英晃 Ehime University, 無細胞生命科学工学研究センター, 助教 (50366944)
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Keywords | 枯草菌 / 緊縮応答 / ppGpp / Re1A-SoT ホモログ / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
原核生物では、アミノ酸欠乏等の栄養飢餓条件に呼応してppGpp(グアノシン四リン酸)が合成され、転写、翻訳、DNA複製等を抑制することが知られている。ppGpp合成酵素として、大腸菌では二種の酵素(Re1A、SpoT)が存在する一方、枯草菌をはじめとした多くのグラム陽性細菌では、大腸菌Re1A-SpoTホモログであるRe1Aタンパク質一種のみがこれまでに知られていた。しかし、これまで枯草菌において行われてきた遺伝学的、生化学的解析を踏まえて考察すると、枯草菌には、従来見出されていたRe1A以外にもppGppを合成する酵素をコードする遺伝子がある可能性は否定できなかった。こうした背景から、我々は、Re1A-SpoTホモログに保存されているppGpp合成ドメインのアミノ酸配列をもとに、枯草菌の全ゲノム塩基配列情報を再検証した結果、ppGpp合成ドメインのみを有する新奇ppGpp合成酵素をコードする二種の遺伝子(yjbM,ywaC)を新たに見出すことに成功した。平成19年度において、これらの遺伝子産物が本当にppGpp合成酵素として機能するか否かを調べるべく、両遺伝子を大腸菌relA遺伝子破壊株に導入したところ、細胞内におけるppGppの蓄積が認められた。次に両遺伝子産物をコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系にて調製、精製したのち、これら酵素のppGpp合成活性をin vitroにて検証した。その結果、YjbM、YwaCとも実際にppGpp合成活性を有することが明らかとなった。以上のことから、枯草菌にはRelA-SpoTホモログとは異なるppGpp合成酵素が存在することが明らかとなった。以上の結果を、平成19年度に論文として投稿、出版に至った。
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Research Products
(4 results)