2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高見 泰興 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 研究員(グローバルCOE) (60432358)
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Keywords | ゲノム / 生殖隔離 / 交尾器 / 種分化 / 進化 / 昆虫 / 交雑 / オサムシ |
Research Abstract |
本研究は,種分化と生殖隔離に関わる候補遺伝子領域を探索することを目的としている.材料はマヤサンオサムシとイワワキオサムシを用い,両種の自然交雑帯から得られる組み換え個体の解析を通じて,交尾器形態を支配する遺伝子領域を探索しようと試みている.本研究の材料として用いているオオオサムシ類は,雌雄交尾器の形態が著しく多様であり,交尾器形態の種間差が種間交雑を妨げるカギとなる.そのため,雌雄交尾器の形態変異に関わる候補遺伝子の特定と,それらのゲノム内配置の解明は,種分化のメカニズムをゲノムの視点から理解するための重要なステップになると期待される. 2007年度には,三重県鈴鹿市と四日市市にある交雑帯周辺の約50地点から,約1500個体のサンプルを得ることができた.交雑帯をまたぐトランセクトは2ケ所に設置し,解析結果の再現性を検証可能にしてある。得られたサンプルは個体毎に冷凍保存してあり,逐次解凍して解析のための処理を進めている.現在までに,約300個体について形態解析のための標本作製と交尾器の解剖処理,そして遺伝子解析のためのDNA抽出を完了している.また,交尾器以外の生殖隔離要因として体表炭化水素組成の種間差も考えられるため,片側上翅のサンプルを同時に採取して冷凍保存してあり,後に有機溶媒による抽出を試みる予定である.今後もサンプル処理とDNA抽出を進め,マイクロサテライトとAFLPによるジェノタイピングと,ソフトウェアを用いた大規模なゲノム解析を早期に開始する予定である.
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Research Products
(4 results)