2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物細胞の伸長制御に関わる低分子量Gタンパク質ROPの機能解析
Project/Area Number |
19770032
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
庄司 翼 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 助教 (40343272)
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Keywords | 細胞伸長 / 微小管 / ROP |
Research Abstract |
植物細胞の形態形成は内的発生プログラムや外的環境要因に応じて可塑的に変化する。細胞形態を支配する微小管等の細胞骨格系が低分子Gタンパク質(ROP : Rho of plant)によってどのように制御させているかは興味深い。ROPの上流因子であるRopGEF(Rop guanine nucleotide exchange factor)はアラビドプシスで14種類存在している。これまでにこれらRopGEFの機能欠損表現型は報告されていない。そこでRopGEFをアラビドプシス内で過剰発現させることでRopシグナルの構成的活性化を引き起こしその細胞形態形成に与える影響を評価した。 RopGEFcDNAのN末端にGFPのバリアントであるVenusを連結してXVE誘導プロモーター下で発現させることとした。VFP-RopGEF7及びVFP-RopGEF9発現植物体について表現型異常が観察された。根毛形成に関してVFP-RopGEF7発現体では約20%の根毛で先端の分枝が見られた。一方、VFP-RopGEF9発現体では約半数の細胞で2本の根毛が見られた。さらに両発現体ともに根毛の太さがコントロール植物に比べて約1.5倍であった。葉の表皮細胞はジクソーパズル状の形態を示すことが知られている。VFP-RopGEF導入植物では形態の顕著な変化は見られなかったが、VFP-RopGEF9発現体では表皮細胞の入り組みの程度が減少し形がより単純になっていた。また、表皮細胞のくびれ部分には通常微小管の集積が見られるのに対し、VFP-RopGEF9発現体では形が単純化したことを反映して、そうした集積は見られないことがGFP-TUB6の観察から分かった。
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