2007 Fiscal Year Annual Research Report
OsRac1と抵抗性タンパク質による耐病性シグナルの発動機構の解析
Project/Area Number |
19770033
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河野 洋治 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究課, 研究員 (00406175)
|
Keywords | 免疫 / 低分子量GTP結合タンパク質 / 耐病性 / いもち病 |
Research Abstract |
申請者はこれまで、一貫して分子スイッチである低分子量GTP結合タンパク質の解析を行ってきた。申請者の所属する研究室では、イネの最重要病害である、いもち病菌を用いて、植物の免疫機構の解明に取り組んでいる。最近、OsRac1相互作用分子の探索を行ったところ、NBS-LRR構造をもつ抵抗性(Disease resistance:R)タンパク質様のタンパク質が複数同定された(Nakashima, et. al.,投稿準備中)。このことから、OsRac1とNBS-LRR型Rタンパク質が相互作用してRタンパク質を介した抵抗性反応を制御していることが示唆された。 本研究で申請者は、OsRac1に結合した5種類のNBS-LRRタンパク質をOsRacl-interacting NBS-LRR(Orin1-5)と名付け解析を行った。Orin1は、直接活性型のOsRac1によりよく結合することが明らかになった。Orin1上のOsRac1の結合部位を検討したところ、OsRac1は、NBSドメインに結合することが明らかになった。Orin1をタバコの葉で過剰発現すると、細胞死などを伴う過敏感反応と呼ばれる強い特異的な抵抗性反応が観察された。Orin1とドミナントネガティブ体のOsRac1を共発現すると、Orin1により誘導される過敏感反応が抑制をされた。また、OsRac1は、イネの重要病害であるいもち病の耐病性遺伝子産物であるPibやPi9、白葉枯れ病の耐病性遺伝子産物であるXalと結合することを明らかにした。以上の結果から、OsRac1は、NBS-LRR型Rタンパク質の下流で、植物の抵抗性反応に重要な役割を果たしていることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)