2008 Fiscal Year Annual Research Report
OsRac1と抵抗性タンパク質による耐病性シグナルの発動機構の解析
Project/Area Number |
19770033
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河野 洋治 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 研究員 (00406175)
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Keywords | 免疫 / 低分子量GTP結合タンパク質 / 耐病性 / いもち病 |
Research Abstract |
申請者はこれまで、一貫して分子スイッチである低分子量GTP結合タンパク質の解析を行ってきた。申請者の所属する研究室では、イネの最重要病害である、いもち病菌を用いて、植物の免疫機構の解明に取り組んでいる。最近、OsRacl相互作用分子の探索を行ったところ、NBS-LRR構造をもつ抵抗性(Disease resistance : R)タンパク質様のタンパク質が複数同定された(Nakashima et al., 2008)。このことから、OsRac1とNBS-LRR型Rタンパク質が相互作用してRタンパク質を介した抵抗性反応を制御していることが示唆された。 本研究で申請者は、さらにOsRaclの相互作用分子の探索を行ったところ、いもち病菌の抵抗性タンパク質であるPit, Pib, Pi9及び白葉枯れ病菌の抵抗性タンパク質であるXalを同定した。Pitによって誘導されるいもち病菌に対する抵抗性が、OsRaclのRNAiにより抑制された。OsRaclの活性化をイネ培養細胞でモニタリングした結果、Pit活性化型変異体は、OsRaclを活性化することが明らかになった。以上の結果から、NBS-LRR型抵抗性タンパク質は、OsRaclに直接結合してOsRaclを活性化することにより病害抵抗性を誘導することが示唆された。
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Research Products
(5 results)