2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規転写因子GAF1によるジベレリン信号伝達機構の解析
Project/Area Number |
19770036
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
深澤 壽太郎 The Institute of Physical and Chemical Research, 促進制御研究チーム, 基礎科学特別研究員 (90385550)
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Keywords | ジベレリン / 転写因子 / 標的遺伝子 / 信号伝達 |
Research Abstract |
ジベレリン(GA)は、種子発芽、伸長成長、開花時期を制御するホルモンとして知られている。GA信号伝達経路は、植物特有のGRAS family タンパク質が抑制因子として機能しておりGAの添加にともない、速やかに分解され下流の信号が伝達される。近年、GAの受容からDELLAタンパク質の分解までの詳細が明らかになりつつあるが、その下流の制御因子は明らかとなっていない。シロイヌナズナのDELLAタンパク質RGA/GAIとの相互作用因子GAF1を単離し、機能解析を行っている。GAF1は、RGA/GAIばかりでなく,転写抑制因子と考えられるWD repeat protein (WDR)とも相互作用することを見出した。本研究では、GAF1及びその相互作用因子の解析を通じて、GA信号伝達機構を明らかにする。本年度は、以下のことを明らかにした。 1.GAF1過剰発現体は、開花時期の促進、胚軸の伸長、葉の展開の表現型を示した。またGA合成阻害剤存在下でも、開花時期の遅延を回復した。 2.GAF1における、GAIとの相互作用に必要な領域を同定した。この領域を欠失したGAIと相互作用しない変異体タンパク質mtGAF1(ΔGAIbd)、を作製した。 3.GAF1は、ほとんど転写活性化能を示さない転写因子あるが、GAIをともに発現させると、強い転写活性化能を有し、対照的にWDRは転写抑制因子として機能することが明らかになった。また、ゲルシフト解析により、GAF1は、GAIとは対照的にDNA配列特異的な結合能を有することが明らかとなった。 4.GAF1の標的遺伝子を探索するため、花成制御遺伝子および、ジベレリン応答遺伝子に焦点をあて、GAF1過剰発現体において発現量が変化している遺伝子をマイクロアレイにより解析した。
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Research Products
(3 results)