2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規転写因子GAF1によるジベレリン信号伝達機構の解析
Project/Area Number |
19770036
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
深澤 壽太郎 The Institute of Physical and Chemical Research, 促進制御研究チーム, 基礎科学特別研究員 (90385550)
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Keywords | ジベレリン / 転写因子 / 標的遺伝子 / 信号伝達 |
Research Abstract |
ジベレリン(GA)は、種子発芽、伸長成長、開花時期を制御するホルモンとして知られている。GA信号伝達経路は、植物特有のGRAS familyタンパク質が抑制因子として機能しておりGAの添加にともない、速やかに分解され下流の信号が伝達される。GAレセプターの発見により、GA投与からDELLAタンパク質の分解までの詳細が明らとなったが、その下流の制御因子は明らかとなっていない。 独自に開発したTupl-twobhybrid法により単離したDELLAタンパク質と相互作用する転写因子GAF1の機能解析を行っている。GAF1は、シロイヌナズナのDELLAタンパク質RGA/GAIばかりでなく、転写抑制因子と考えられるWD repeat protein (WDR)とも相互作用することを見出した。GAF1過剰発現体は、開花時期の促進、胚軸の伸長、葉の展開の表現型を示した。またGA合成阻害剤存在下でも、開花時期の遅延を回復した 本年度は、植物細胞を用いたトランジェントの実験系を確立し、植物細胞内におけるGAF1及び相互作用因子による、転写制御機構の解析を行った。その結果、GAF1は、単独では、弱い転写活性化因子として機能するがGAIをともに発現させると、強い転写活性化能を有し、対照的にWDRは転写抑制因子として機能することが明らかになった。また、BiFC解析より、GAF1とGAIタンパク質は、核内で相互作用することを明らかにした。さらに、この相互作用は、ジベレリンの投与によるGAIタンパク質の分解に伴い消失することが明らかとなった。これらの結果から、GA信号伝達におけるDELLAタンパク質下流の制御機構として、GAは、DELLAタンパク質の分解を促進し、GAF1相互作用因子を変化させることによりGAF1複合体の転写活性化能を調節し、GAF1標的遺伝子の遺伝子発現を制御しうることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] An unidentified ultraviolet-B-specific photoreceptor mediates transcriptional activation of the cyclobutane pyrimidine dimer photolyase gene in plants2008
Author(s)
Ioki, M., Takahashi, S., Nakajima, N., Fujikura, K., Tamaoki, M., Saji, H., Kubo, A., Aono, M., Kanna, M., Ogawa, D., Fukazawa, J., Oda, Y., Yoshida, S., Watanabe, M., Hasezawa, S., Kondo, N.
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Journal Title
Peer Reviewed
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