2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒメツリガネゴケをモデル系とした植物光受容体フォトトロピンシグナル系の解析
Project/Area Number |
19770038
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
笠原 賢洋 Ritsumeikan University, 理工学部, 准教授 (70361748)
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Keywords | フォトトロピン / 光応答 / 光受容体 / ヒメツリガネゴケ / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究では、植物の光受容体であるフォトトロピンの光情報受容とシグナル伝達機構を、ヒメツリガネゴケの研究材料としてのアドバンテージを生かして解析することを目的とする。フォトトロピンは、光屈性や葉緑体光定位運動の光受容体として同定されたが、光受容体と最終的な生理現象の間にあるシグナル伝達経路についてはほとんど分かっておらず、その解明が重要な課題である。 上記の目的を果たすために、(1)ヒメツリガネゴケフォトトロピンのタンパク質発現系の構築、(2)ヒメツリガネゴケフォトトロピンの精製、(3)酵母2ハイブリッド法を利用した相互作用タンパク質の検索、を行った。これまでに得られた結果は以下の通りである。 (1)大腸菌を用いてPHOTAIの発現系を構築した。クロマトグラフィーにより精製した標品で吸収スペクトルを測定したところ、クロモフォアを結合したタンパク質を得られたことを確認できた。自己リン酸化活性、タンパク質リン酸化活性を測定したが、いずれの活性も確認できなかった。リン酸化活性を示す標品を得られる条件を見つけることが課題である。 (2)ヒメツリガネゴケでPHOTA2を過剰発現する形質転換体を作製した。過剰発現株を細胞分画し、フォトトロピン抗体を用いてウエスタンブロッティングを行ったところ、PHOTA2が細胞膜画分に局在することを確認できた。今後、PHOTA2の可溶化条件の検討、精製を行っていく。 (3)PHOTA2のプロテインキナーゼ部位をbaitとして結合タンパク質を検索し、複数の結合タンパク質の候補を得た。今後これらの候補の解析を行っていく。
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