2007 Fiscal Year Annual Research Report
エンドリデュプリケーションを制御する葉緑体に依存した情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
19770044
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉積 毅 The Institute of Physical and Chemical Research, 植物ゲノム機能研究チーム, 研究員 (80342872)
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Keywords | 発生・分化 / エンドリデュプリケーション / 葉緑体 / 情報伝達 / 細胞サイズ / 細胞周期 |
Research Abstract |
本研究では、葉緑体に依存したエンドリデュプリケーションの制御機構を明らかにすることを目的とし、昨年度までに単離された2種類の優性変異株(ilp2-Dおよびilp5-D)の解析を行った。本年度はこれら変異株の原因遺伝子について詳細な機能解析を行うために、機能欠損もしくは機能抑制した植物の作成を行った。 昨年度までにILP5遺伝子のアンチセンス植物を作成し、核相が減少することを予備試験的に確認していた。しかし、この表現型の再現が得られにくいため、より強力な機能抑制が期待できるRNAi法を用いた機能抑制株の作成を行った。なを、この株の作成に当たり、新規のRNAiコンストラクト作成法を開発した。 ILP2遺伝子の欠損変異株を単離したが、ほとんど表現型が見られなかった。シロイヌナズナのゲノムにはILP2の類似遺伝子(ILP2L)がもう一つあり、冗長性があると考えた。ILP2Lの欠損変異株も解析したが、やはり核相の減少が認められなかった。そこで、これら欠損変異をもつ二重変異株の作成を行った。これら遺伝子は同染色体に座乗しており、作出は容易ではなかったが、数個体の組換え体を得ることが出来た。ホモ接合体が確立でき次第、核相などの測定を行う予定である。 ILP2タンパク質は葉緑体局在タンパク質であることから、光合成に着目した欠損変異株の解析も同時に行った。光合成に関連するいくつかの表現型について調べたところ、ILP2欠損変異株では、光化学系I循環的電子伝達に異常が認められた。ILP2タンパク質には膜貫通ドメインがあるため、様々な光合成関連タンパク質をチラコイド膜に繋留する役割があると考えている。そこで、ILP2タンパク質の一部欠失したタンパク質を発現させた植物を用いた機能解析を計画し、本年度は7種類の変異タンパク質を発現させた植物の作成を行った。
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Research Products
(5 results)