2009 Fiscal Year Annual Research Report
エンドリデュプリケーションを制御する葉緑体に依存した情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
19770044
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉積 毅 The Institute of Physical and Chemical Research, 植物ゲノム機能研究チーム, 研究員 (80342872)
|
Keywords | 発生・分化 / エンドリデュプリケーション / 葉緑体 / 情報伝達 / 細胞サイズ / 細胞周期 |
Research Abstract |
本研究では、葉緑体に依存したエンドリデュプリケーションの制御機構を明らかにすることを目的とし、これまでに単離された2種類の因子ILP2およびILP5の解析を行った。本年度は、ILP5の生理学的な機能を明らかにするために、機能抑制した植物を作成し、これら形質転換植物の表現型について詳細な解析を行った。 T-DNAなどの挿入による遺伝子欠損変異株がILP5には存在しなかったため、RNAi法を用いて機能抑制を試みた。独立した2種類のコンストラクトを作成したが、形態や核相に影響は認められなかった。これら機能抑制株ではILP5遺伝子の発現はある程度抑制されていた。しかし、表現型に異常を引き起こすには十分な遺伝子の抑制ではないことが考えられる。そこで、より強力な抑制効果を得るために、それぞれ2つのコンストラクト由来の機能抑制株から、最も強い発現抑制を示す株同士を単離し、掛け合わせを行った。現在は、これら抑制遺伝子のホモ接合体の単離を行っている。 ILP5の機能抑制を行うために新規RNAiコンストラクト作成法を開発した。本方法は、RNAi用に改変した特別なベクターや、PCRなどを介さずにRNAiに必要なinverted repeatを作成する方法で、従来の方法より簡便に作成が可能である。また、用いる標的遺伝子特異的配列も短いことから、従来の方法で危惧されていたOFF target効果も除くことが出来る利点も考えられる。本年度は、この手法の詳細について論文に報告した。
|
Research Products
(2 results)