2008 Fiscal Year Annual Research Report
mekk1変異体の矮性致死形質を抑制する遺伝子の同定
Project/Area Number |
19770045
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
市村 和也 The Institute of Physical and Chemical Research, 植物免疫研究チーム, 研究員 (70321726)
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Keywords | 病害抵抗性 / MAPキナーゼ経路 |
Research Abstract |
植物細胞における病原体感染シグナルを伝達するMAPキナーゼ経路には正負それぞれの制御因子が存在し、複雑な制御が行われていると考えられている。本研究では遺伝学的アプローチによりこの制御機構を明らかにするため、MEKK制 御ドメイン過剰発現により誘導される致死形質を抑制する変異体を同定し、原因遺伝子を明らかにすることが目的である。 エストラジオール誘導ベクターにMEKK1制御ドメインを挿入した形質転換シロイヌナズナにEMS変異をかけ、MEKK1制御ドメイン誘導による致死形質を抑制する変異体を取得した。複数段階の選抜により、最終的に致死形質抑制変異体は2系統の相補群に絞り込まれた。これら変異体の遺伝子座を明らかにするため、異なるエコタイプであるCol-8と変異体を交雑し、F2雑種を取得した。しかしながら、マッピングのためのF2集団の分離比を解析すると、マッピングに利用できる個体の出現頻度が非常に低く、十分な個体数を準備するためには、上記の問題解決が必要な状況となっていた。 種々の条件検討から、ゲノム上のベクター挿入がホモになると矮性形質が現れることが明らかになった。このためハイグロマイシン選抜を行った場合、ハイグロマイシン感受性による個体の矮化と、上記の矮化形質の見分けが付かなくなり、除外されてしまったと考えた。そのためハイグロマイシンを含まない培地に種子を播種して矮性個体を得ることで、問題を回避することにした。またこの矮性形質の原因遺伝子は、本研究で同定を試みている遺伝子と同一である可能性が十分考えられるため、ポジショナルクローニングにより同定することにした。副産物的な結果ではあるが、mekk1変異を抑制する可能性がある遺伝子をさらにリストアップできたことは、本年度の大きな成果と言える。
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Research Products
(4 results)