2008 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類排卵酵素の同定を可能にする培養系の確立と排卵酵素の同定
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19770047
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荻原 克益 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 助教 (00422006)
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Keywords | マウス / 卵巣 / 排卵 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
本研究では、排卵酵素同定の成否を左右する最も重要なステップである生体外排卵培養系の確立と改善に主眼をおき、研究を実施した。昨年度の成果から、マウス卵巣器官培養による排卵培養系を用いることにより生体外での排卵が確認されていたが、排卵する卵数が想定数よりも少なかったことから、昨年度と同様に排卵数の増加を目指して至適条件の検討を行った。培養液へのhCG添加の有無、hCG処理の時間、添加物の有無など昨年度から実施していた条件について再検討を行った結果、これまでよりも排卵数の多い条件を突き止めることができた。今後は、この条件を用いて排卵酵素の同定を継続するとともに排卵数の増加を目指してさらなる条件検討も継続する予定である。 メタロプロテアーゼの阻害剤であるEDTAの排卵培養系への添加時に排卵率が減少するという昨年度の結果をうけ、メタロプロテアーゼの中でも排卵酵素の候補として重要視されているマトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)について、濾胞における排卵前後の発現変動をRT-PCR解析により調査した結果、排卵前後で発現量の変動するMMP(4種類)を発見した。これまでの卵巣を用いた先行研究から、排卵前後でその発現量が変動するMMPが数種報告されているが、これらのMMP以外に、今回の解析から発現量が変動するMMPを新たに見いだすことができた。この結果は排卵酵素絞り込みを行ううえで必要不可欠な重要な情報となり得る。今後は、これらの情報をもとに排卵酵素のさらなる絞り込みを行い、排卵酵素の同定を目指す。
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Research Products
(2 results)