2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770049
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長里 千香子 Hokkaido University, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (00374710)
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Keywords | 褐藻 / 極性 / 受精卵 / 中心体 / 不等分裂 |
Research Abstract |
本年度は、褐藻ヒバマタ、エゾイシゲの細胞質分裂過程がどのように進行していくかについて、核分裂(受精後16時間)から細胞質分裂後(受精後24時間)にかけて、急速凍結置換法により固定を施した細胞の微細構造観察を行った。その結果、(1)核分裂終了後の娘核の間に粗面小胞体(rER)が発達、(2)細胞質分裂に関与する平板小嚢と呼ばれる構造はrER由来である、(3)アクチンフィラメントの重合阻害は核分裂を阻害しないが、平板小嚢形成を阻害することにより細胞質分裂の進行を妨げる、(4)抗アクチン抗体を用いた免疫電子顕微鏡法において分裂予定域に発達するアクチン分子の存在を確認する、という成果が得られた。また、ゴルジ体からの小胞形成を阻害するBrefeldinAの投与により、平板小嚢の形成が阻害されないこと、平板小嚢のみで、ある程度細胞質分裂が進行する、しかしながら、細胞壁成分の沈着が阻害されるということが明らかになった。これらの結果は国内外の学会で発表を行い、また現在、国際誌投稿にむけて論文を作成中である 本年度の研究により、褐藻類の細胞質分裂過程の詳細を明らかにすることができた。特に大きな成果は申請者が2002年カヤモノリで細胞質分裂過程を報告した際に、明確に記すことができなかった平板小嚢の形成と由来を明らかにすることができたこと、そして、これまで褐藻類では細胞質分裂予定域にアクチンからなるプレート状構造が形成されると報告されてきたが、初めてそのアクチンフィラメントの存在を、免疫電子顕微鏡法で確認することができたことが挙げられる。
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Research Products
(16 results)