2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 芳樹 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 助教 (70444099)
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Keywords | 光ピンセット / 遺伝学 / 母性遺伝 / 進化 |
Research Abstract |
1)遺伝学的解析(母性遺伝変異体の単離) 昨年度、パロモマイシン耐性遺伝子断片(aphVIII)を用いた非特異的遣伝子破壊(タギング)を行って母性遣伝の変異体単離を試みた結果、母性遺伝が攪乱されて両性遣伝が促進された変異体として複数のBP(Biparental)株が得られた。BP株についてSYBR Green I染色による蛍光顕微鏡観察などの解析を進めた結果、現在とりわけ2種(#14,#31)について着目して研究を進めている。#14は、雄側だけでなく、本来保護されるべき雌雄の葉緑体DNAまで消失してしまう変異体であり、#31は雄の葉緑体DNAの分解が全く観察されない変異体である。これらの変異体について、その原因遺伝子をTAIL-PCRで探索した結果、それぞれRNAiを担う複合体のコンポーネントの一つ(#14)、およびRNA結合モチーフをもつ遺伝子の配列(#31)が得られた。今後、変異の相補実験や遺伝子の具体的な機能について解析を進めていく。また、母性遺伝変異体のスクリーニングも、引き続きおこなっていく。 2)逆遺伝学的解析(配偶子/接合特異的遺伝子の機能解析) クラミドモナスでは配偶子/接合子特異的に発現する遺伝子群が多数報告されてきた。しかしそれらの遺伝子の多くは機能未知のままである。昨年度は、接合子特異的に発現し葉緑体核様体に局在するEZY1(Early ZYgote1:Armbrust, et. al.Cell 1993)に着目し、そのRNAi解析を行った。接合子におけるEZY1の発現が効率的に抑制された株においては、雄の葉緑体核様体の消失率が50%程度にまで減少し、さらに雄の葉緑体DNAに導入したスペクチノマイシン耐性遺伝子の次世代への遺伝が促進されたことから、EZY1の母性遺伝への関与が少なくとも部分的に示された。本年度は、EZY1をHis-Tag融合蛋白質として大腸菌で発現させ、精製をおこない、その生化学的な活性(DNA結合能、結合選択性、ヌクレアーゼ活性など)について解析をおこない、EZY1の母性遺伝における役割を明らかにすることを目指す。
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[Journal Article] Genome analysis and its significance in four unicellular algae, Cyanidioshyzon merolae, Ostreococcus tauri, Chlamydomonas rei2008
Author(s)
Misumi, O., Yoshida, Y., Nishida, K., Fujiwara, T., Sakajiri, T., Hirooka, S., Nishimua, Y., and Kuroiwa, T.
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Journal Title
Journal of Plant Research 121
Pages: 3-17
Peer Reviewed
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