2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770051
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北野 健 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (40336219)
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Keywords | メダカ / 性分化 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度に生理的機能を明らかにした細胞増殖因子MIS(Mullerian inhibiting substance) の発現制御機構を解明する事を目的に研究を行った。 1. in vivoにおけるメダカmis遺伝子の発現制御機構の解析 メダカmis遺伝子5'上流域3000bまたは800bと、GFP遺伝子とを連結したベクターを作製し、そのベクターをメダカ受精卵に顕微注入することでmis-GFPトランスジェニック(Tg)系統の作製を行った。その結果、mis(3000)-GFP Tg系統では、実際のmis mRNAの発現と同様に、生殖腺体細胞で強いGFP発現が観察されたが、mis(800)-GFP Tg系統ではかなり弱い発現が認められた。このことから、mis遺伝子5'上流域3000bから800bの間に、発現量を制御する領域が存在している可能性が示唆された。 2. in vitroにおけるメダカmis遺伝子の発現制御機構の解析 メダカmis遺伝子5'上流域3000bまたは800bと、ルシフェラーゼ(Luc)遺伝子とを連結したベクターを用いて、培養細胞におけるレポーターアッセイを行った。メダカmis遺伝子5'上流域3000bから800bの間には、3ヶ所のSF-1(Steroidogenic factor 1)結合サイトが存在していた事から、メダカSF-1が及ぼすmis遺伝子の発現制御への影響を解析した。その結果、mis(3000)-Lucベクターを用いた場合、メダカSF-1によるレポーター活性の上昇が観察されたが、mis(800)-Lucベクターではこの上昇が認められなかった。これらのことから、転写因子SF-1は、mis遺伝子5'上流域3000bから800bの間に結合し、mis遺伝子の発現量をコントロールしている可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)