2008 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞のイオン代謝応答による魚類の体液調節と環境適応
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19770057
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 明 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (40311336)
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Keywords | 魚類生理学 / 電気生理学 / 体液ホメオスタシス / イオン輸送体 / フグゲノム / 重炭酸輸送体 / 硫酸輸送体 / 輸送上皮細胞 |
Research Abstract |
魚類の淡水・海水適応における体液ホメオスタシスを3種類の輸送上皮細胞(エラの塩類細胞, 腎の尿細管, 腸の粘膜上皮細胞)の振る舞いとして集約し理解することを目標に, トラフグ近縁種で淡水・海水の両環境で生息できるメフグの上皮細胞に発現するイオン輸送体を同定し, 電気生理学的な特性を明らかにし, さらに組織・細胞レベルでの局在を特定した。【海水魚のカルシウム排泄機構の解明】海水魚は腸から重炭酸イオンを活発に分泌してカルシウムイオンを形成し糞として排出する。メフグを用いて腸Slc26a6A, Slc26a6BとNBCe1による重炭酸分泌の分子機構を解明した(AJP 2008)。【海水魚の硫酸排泄機構の解明】海水魚は海水のにがり成分MgSO_4を尿中に濃縮して排泄する。網羅的な硫酸輸送体の発現解析とアフリカツメガエル卵母細胞を用いた電気生理学的な解析により, Slc26a6Aがこれまで知られる硫酸トランスポーターの中で最も強い輸送活性を示すことを見出し, Slc26a6Aによる硫酸の腎排出の分子モデルを提唱した(論文投稿準備中)。【淡水魚の水排泄機構の解析】近縁種て淡水適応能が大きく異なるトラフグ(海水魚)とメフグ(淡水・海水両方で生息)の腎臓に於けるNaCl輸送体の発現解析の結果, NCCの腎臓に於ける発現と淡水適応能に強い相関があることを見出した。免疫組織染色によりNCCの腎臓の発現部位を同定し, 淡水魚の尿希釈及び水排泄の分子モデルを構築した。
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[Presentation] 海水魚の硫酸排泄機構の解析2008
Author(s)
加藤 明, 中田 勉, 栗田 志広, 土井 啓行, Min-Hwang Chang, Michael F. Romero, 広瀬茂久
Organizer
第3回トランスポーター研究会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2008-06-08
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