2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770060
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
加藤 徹 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 特任研究員 (80374198)
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Keywords | 食植性昆虫 / 種分化 / 遺伝学 / DNA / マイクロサテライト |
Research Abstract |
マダラテントウ類では、いくつかの同所的な近縁種が食草の違いだけにより生殖的に隔離されていることが確認されている。このことは、マダラテントウ類においては、食草選択に関する遺伝子が直接種分化に関与した場合がある可能性を示唆する。本研究は、いくつかの近縁なマダラテントウ種について、遺伝統計学的解析に必要とされる多型マイクロサテライトマーカーを設定し、最終的には食草選択に関わる遺伝子の数、およびそれらが存在すると思われる領域を特定しようと試みる。 本年度は、前年度に引き続き、食草の違いだけで生殖的に隔離されていることが示唆されているルイヨウマダラテントウおよびヤマトアザミテントウの2種について、遺伝統計学的解析に必要とされる多型マイクロサテライトマーカーの設定を試みた。具体的には、ルイヨウマダラテントウ成虫個体より精製したゲノムDNAを制限酵素で切断し、カセット配列を結合してPCR増幅を行なった。その後、得られたPCR断片からマイクロサテライト特有の繰り返し配列を選択的に回収し、塩基配列を決定した。こうして得られた配列の中からPCRプライマーを設計し、8個の候補マーカーを得た。そして、各候補マーカーについて、野外から採集したルイヨウマダラテントウおよびヤマトアザミテントウ複数個体のDNAを鋳型としてフラグメント解析を行ない、多型判定を行なった。その結果、これまでに3つの候補マーカーにおいて多型が認められた。ただし、何れのマーカーにおいても集団間での対立遺伝子の置換は確認されず、このことは、両集団が遺伝的に区別がつかないほど極めて近縁であるという、従来の見解を支持する。
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Research Products
(1 results)