2008 Fiscal Year Annual Research Report
多数の核マーカーによる陸上植物の初期系統分化の解明
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19770062
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西山 智明 Kanazawa University, 学際科学実験センター, 助教 (50390688)
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Keywords | 系統解析 / 核コード遺伝子 / 陸上植物 / コケ植物 / シャジクモ藻類 |
Research Abstract |
多数の発生関連遺伝子の系統解析から長い遺伝子が単一遺伝子として維持されやすい傾向がみられた。個々の遺伝子が長いことは系統解析にも都合が良いので、平成20年度に解析を開始したCHLH, RAD50, TORに加え、発生とは独立にcDNAの長さを基準に選択した5候補遺伝子の単離を試み、RRP5, ATM, BIGの3遺伝子についてクローニングが可能であった事から解析対象に加えた。 シャジクモのTORについては5'RACEによりほぼN末端までの配列が得られた。RRP5, ATM, BIGについては、当初設計した縮重プライマーではC末端領域のみが増幅出来る種が多かった。そこで、シャジクモの当該遺伝子を5'RACEによって決定してから保存配列を見極めてさらに汎用性のあるN末領域増幅プライマーの設計をおこなうという方針にした。シャジクモでの5'RACEは概ね順調に進んでおり、いずれも数kbの配列を取得出来ている。 これまで、得られている限りの配列で系統解析をする限り、いずれの遺伝子でも、Bootstrap値の高低はあるもののコケ植物は単系統であると解析されている。維管束植物の単系統性については遺伝子ごとに異なる結果となっている。今後、さらに解析分類群を増やしていくことにより、陸上植物の初期進化に関わる系統関係に体する見方を抜本的にあらためる事につながると考えられる。 解析分類群の追加については高品質のRNAが得られず、計画通りには進まなかった。高品質のRNA抽出法の検討が鍵となろう。
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