2008 Fiscal Year Final Research Report
Biological interpretation of terminal emargination of hindwing in the Gelechiid moths
Project/Area Number |
19770066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biodiversity/Systematics
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
SAKAMAKI Yoshitaka Kagoshima University, 農学部, 准教授 (20315401)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Keywords | キバガ科 / 標本 / 翅形測定 / 28SrDNA / DNA塩基配列 / 系統樹 / 高次分類体系 / 後翅のえぐれ |
Research Abstract |
北海道大学博物館,国立科学博物館(東京)デンマーク王立動物博物館などからキバガ科の主要な60属200種以上の鱗粉がそろった標本を貸与あるいは分譲いただき,これらの後翅えぐれの進化過程を推測するために,翅形測定とDNAによる系統解析を行った.これらの翅形測定の結果,従来の属あるいは族ごとに翅形の類似性が認められ,キバガ科の後翅のえぐれは機能的な意義よりも祖先が1度得た翅形がその祖先を共有する高次分類群内で共有されるといった系統的な制約によって形態が決定していると推定され,また,キバガ科の祖先状態では,すでにこの"えぐれ"を獲得していたことも推定された.しかし,翅形を測定したグループのうちApatetris属については属内の種間変異があまりに大きく,特に後翅のえぐれがまったく無いものから,後翅が2叉するほどにえぐれたものまで様々であり,翅形測定の結果その分散は亜科間レベルと同等の大きなものであった.このことから,本属については,後翅の翅形が系統的な制約を反映しないことが推定された.一方亜科あるいは族ごとの後翅翅形が良くまとまったグループの構成員のうちChrysoesthia属のヘルマンアカザキバガおよびGelechia属のソバカスキバガについては本研究中に行ったPCR法を援用した28SrDNA等の塩基配列から推定した系統樹では,従来の分類体系に合わないグループ(亜科)に含めざるを得ないことが判明した.このことから,今回"えぐれ"た後翅の翅形測定・分析に使用した各種の分類体系を再検討した後に系統樹上での翅形進化シナリオを提出することが望ましいと考えられた.
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Research Products
(2 results)