2008 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳後修飾によるNEMOの機能変換の構造生物学的研究
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19770081
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
天野 剛志 Kobe University, 医学研究科, 特命助教 (70381663)
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Keywords | ユビキチン / SUMO / NF-kB / 炎症性シグナル / 免疫応答 / DNA修復 / K63リンクポリユビキチン鎖 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究を行った。 1. NEMOおよびオプティニューリンのC末端ジンクフィンガードメインの溶液構造解析 NEMOのC末端に存在するジンクフィンガー(ZnF)ドメインの構造を明らかにするために、安定同位体ラベルを導入したサンプルを使ってNMRによる解析を行った。その結果、主鎖のRMSDが0.3Aの溶液構造を得ることに成功した。このドメインはCCHCタイプのZnFであり、DNAではなくタンパク質と相互作用すると考えられる。さらに、NEMOと同様のドメイン構成をもつオプティニューリンのC末端に存在するZnFドメインの構造を解析している。 2. ジンクフィンガードメインとユビキチンとの相互作用解析 K63リンクポリユビキチン鎖に特異的に相互作用するタンパク質はZnFドメインをもつものが多い。これらのZnFドメインの機能を明らかにするために、まずユビキチンとの相互作用の有無をNUR滴定実験により確認した。その結果、NEMOのZnFドメインはモノユビキチンと弱く相互作用することが明らかとなった。また、重篤な遺伝病の原因となるC417F変異体は正しくフォールディングせず、ユビキチンと相互作用することもないことが明らかとなった。 次に、ポリユビキチン鎖との親和性を調べるために直鎖状ポリユビキチン鎖(2-5量体)を使ったプルダウン実験を行った。その結果、ユビキチンのサブユニット数が多くなればなるほど、NEMOおよびオプティニューリンのZnFドメインは強くポリユビキチン鎖に相互作用することが明らかとなった。
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