2008 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン化修飾によるペルオキシソーム形成機構の制御
Project/Area Number |
19770087
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
奥本 寛治 Kyushu University, 理学研究院・生物科学部門, 助教 (20363319)
|
Keywords | ペルオキシソーム / タンパク質輸送 / RINGフィンガー |
Research Abstract |
これまでに同定された哺乳相物ペルオキシソーム形成過程に必須な因子(ペルオキシン)14種の中で、その10種はペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送に関与しており、C末にRINGフィンガーを持つ3種の真在性ペルオキシソーム膜局在タンパク質Pex2p, Pex10p, Pex12p(RINGペルオキシンと呼称)もそれらに含まれる。研究代表者は本研究において、in vitroでのRINGペルオキシンのUb結合化酵素(E3)活性を示し、さらにそのUb化標的基質候補としてペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送の中心的役割を担うPex5p(PTS1レセプター)を同定した。 本年度は、RINGペルオキシンによるPex5pへのUb化修飾が、どのような分子メカニズムでペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送に関与するのかを検討した。Pex5p分子内に存在するLys残基17箇所全てをArg残基に置換した変異型Pex5p(Pex5p-KO)を作製し、既知のPex5p結合因子との結合性を野生型Pex5pと比較したところ、in vitroにおける直接的な結合には差異が見られなかった。一方、両者をPEX5欠損性CHO変異細胞に導入しペルオキシソーム形成回復活性を検討したところ、野生型Pex5pに対してPex5p-KO変異体では約40%程度の活性しか示さなかった。このPex5p-KO変異体のペルオキシソーム形成回復活性低下は、in vitro Pex5p輸送検出系で観察されたペルオキシソームから細胞質へのエクスポート量の減少と相関していた。以上の結果から、Pex5pのUb化はペルオキシソーム形成回復活性に必須ではないものの、Pex5pのペルオキシソームから細胞質への効率的なエクスポートに重要であることが明らかとなり、ペルオキシソームマトリクスタンパク質輸送におけるPex5pの機能について、分子レベルでの理解がさらに深まった。
|
Research Products
(3 results)