2008 Fiscal Year Annual Research Report
酵母を用いたロイコトリエンB4受容体の大量発現、精製、結晶化
Project/Area Number |
19770095
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
堀 哲哉 The Institute of Physical and Chemical Research, 宮野構造生物物理研究室, 研究員 (20344054)
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Keywords | ロイコトリエンB_4 / Gタンパク質共役型受容体 / 酵母 / 大量発現 / 翻訳後修飾 / 変異体 / リガンド結合活性 / 精製 |
Research Abstract |
結晶化のために、メタノール資化酵母Pichia pastrisによるモルモット由来ロイコトリエンB_4(LTB_4)受容体(BLT1)の大量発現系構築を行っている。前年度までに、モルモット白血球膜のBLT1と同等の^3H-LTB_4親和性をもつ糖鎖付加部位変異体(N4A)の大量発現系構築に成功している。発現・精製の段階でN末Arg3とArg8のC末で消化されること、C末のS309がリン酸化を部分的に受けることが課題であった。 本年度は上記の修飾を回避するための変異体構築を行い、特にアミノ酸残基1-14番欠損体(dN15)はBLT1総発現量に対する^3H-LTB_4結合量が他に比べて高かった。dN15のリン酸化部位変異体(dN15/S309A)の^3H-LTB_4親和性は、Kd=7/6nM, Bmax=57.5pmol/mgであり、モルモット白血球膜のBLT1と同等の^3H-LTB_4親和性であった。発現量も受容体の大量発現系としては高発現である。IL培養で200μgの精製サンプルを調製した。SDS-PAGEでの分子量は約40kDであるが、ゲルろ過では分子量約100kDであり、二量体で精製されていると考えられる。 今後の課題は、精製BLT1の活性測定を迅速に行う系を構築すること、結晶化の実現のために立体構造がより安定な変異体を調製することである。 上記以外にも様々な変異体を構築したが、(1) 2箇所の糖鎖付加部位変異体はいずれも^3H-LTB_4結合活性があり、(2) C末に付加したHisタグとの間のリンガー配列の種類が^3H-LTB_4結合活性に影響することが明らかになり、(3) 糖鎖付加部位変異体に対するC末欠損体には^3H-LTB_4結合活性が無いことが示唆された。
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Research Products
(4 results)